[Coffee Break] 007

夕陽とコンコルド

ロンドンの東北部にフィンズベリー・パークという黒人やギリシャ人の多い地域がある。1980年代末、私はそのフィンズベリー・パークの駅からきわめて近い建物の3階に住んでいたことがある。そこは大変狭いフラットだったが、大家は気のよいギリシャ人で1階にある電気屋を経営していた。商店街に面しているので交通量は多く、大きなトラックやバスが通るたびに家は少し揺れる。

冬になると、通りに面した窓の正面に夕陽が沈む。部屋から見るとヒースロー空港の着陸進入コースとほぼ一致する。しかし距離は大変遠く、24キロもある。ちょうど羽田空港に着陸する飛行機を三鷹あたりから眺める距離に匹敵する。

ある晴れた日に、400ミリの望遠レンズに2倍のテレコンバーターを付て、着陸する飛行機を待った。すると、かすかな爆音とともにレンズの前を横切る飛行機はコンコルドだった。

Phtography by Hideo Kurihara 

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