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日本人の特質として流行もめまぐるしいですよね。サーっとやってきて一気に盛り上がるけれども、すぐ忘れてしまう傾向はありますよね。いまタマゴッチはどうしたんだろう‥・とか。 | |
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諦めが早くて、すぐ次の新しいモノに目が向く。それが日本の航空産業っていうか技術を進歩させたひとつの原動力にはなっていると思うけれども、だけどじっくり大成させていくというパワーには目が向けられなかった。諦めがよすぎるんです。 | |
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戦争に負けてしまったけれど、つくった機体の種類はすごく多いですよね。こんなにつくっていたなんて、戦後生まれの人は、ほとんど知らないと思いますよ。 | |
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確かに種類はいっぱいありますよ。当時はそんなに余裕がないはずなのに、次から次へと新しいモノを手がけちゃう。 | |
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仕様書があって、こういう飛行機をつくれっていわれると、その仕様書から逃れられないんだよね。仕様書はある程度満足させる、でもそれは脇においといて、自分のイメージを追求するということができないから、仕様書の時点でもう終点になっちゃうんだね。 | |
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その都度出される仕様書にそって、めいっぱいの限界設計をしている。ゆとりがないですよね。 | |
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要するに妥協しなきゃいけない。機関銃をいっぱい積めば重くなる。重くなるとキュルキュルと回れない。キュルキュル回るのと鉄砲を余計に積むのと何とか妥協しなきゃいけない。そこで、歯を食いしばっても、仕様書と自分との妥協の線を出していくというのが、設計家のポリシーなんだな。 | そういう意味では、土井さんにははっきりした線があって「軽戦闘機を作れ、軽戦闘機を作れ」といわれながらも、自分で自分のイメージの戦闘機をつくった。そういう言い方からすると、堀越さんは、妥協の線がよう分からないな・‥。96艦戦とゼロ戦の間には、決定的な断層がある。 |
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ウン。 | |
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なにかがあったんでしょうね。 | |
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ゼロ戦は、あとに行くほど相対的には悪くなる。いっぱいいろんな型があるけれど、たぶん一番よかったのは21型。さっきの先輩の上原さんに、「ここにゼロ戦の52型と21型がある。 2つのうちどっちに乗りたいですか」と聞いたら、「間違いなく21型に乗る」と言った。基本的に日本の飛行機は、あとに行くほど悪くなるんですよ。 |
アメリカとかイギリスとかドイツの飛行機はあとに行くほど良くなっている。将来、5年なら5年、3年なら3年たったときに、空中戦はこうなるだろうからこういうふうにしておこうと、そうすると、当然3年とか5年のタイムラグが出てくるから、はじめの時は悪いんだよね。 ところが3年とか5年通しての設計姿勢があると、どんどん良くなるんだよ。 |
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それができないのは日本の国民性でしょうね。総合的に長期的な見通しを立てて、長くじっくりモノを考えるという性癖は日本人にはないんですよ。しかしとりあえずはうまい。なんか問題が起きたら、とりあえずは手を打とうというのが、実に機敏でうまい。 | |
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場当たり的なんだよ。問題を先延ばしするんだね。いまでも「政府は先延ばし、自民党は先延ばし」とかいうけれど、あれは自民党だとか政府だとか関係ない。 | |
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それは国民性だなあ。 | |
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昔の藩のお家騒動なんかのものを読んでも、全く思考とか行動のパターンは同じなの。問題を先延ばし先延ばしで、いかに延ばせるかというのが、優秀な殿様であり政治家なの。 | |
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なぜそうなってるのかというと、これは僕の独断と偏見だけれども、日本の建物というのは全部木でつくったでしょ。都市計画そのものが長期的ではないわけね。木で造った家というのは、地震で揺れればひっくり返っちゃうし、火がつけば燃えちゃう。でも燃えても壊れても、木があるからすぐ簡単に建てられる。 | |
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ああ、なるほど。 | |
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あんまり長期的に考える必要はないんじゃないかと。そういう独特の文化を構成する風土などの要素があって、国民性に浸透している気がします。ヨーロッパなんかは全部石で家を造るとなると、建てるのは大変だけれど、一度つくっちゃったらそう簡単にはつくりかえられない。 | 100年200年はかえられないぞと、そうすると、じっくり考えないと下手につくっちゃったらあとが大変だとなるとね。なんかそういう環境の違いが、それぞれの国民性の中にあるんで、それがいろんな面に出てきてるんじゃないかと思いますね。 |
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木の文化と石の文化ねぇ。そういえば、日本で怖いモノは「地震・雷・火事・親父」といわれてきた。これ全部一過性なんだね。 | |
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ちょっとの間我慢したら行っちゃうものばかり。 | |
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そう、親父がワーッと怒っても、頭下げて黙っていたら、そのうちに機嫌が直る。地震もグラグラッと来たって、3日も4日も10日も揺れているわけじゃないと。まあ三宅島みたいにしつこいのもあるけれどね。雷もちょっと待ってたら行っちゃう。火事も燃えたらその時だけ。 | |
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でも最近は「地震・雷・火事・親父」ということも聞かなくなりましたし、親父の権威もあまり・‥、ということは社会が変わってしまうんでしょうか? | |
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変わる。女が天下を取るようになると、これはしつこいから・‥。世界的な基準に従ってモノを考えなきゃいけないときに、真っ先にやってるのは女なんだよね。だから女が政治家になるのはね、それはいいことだと思っている。だから、エッセイの中で女を馬鹿にしたようなことを書いているけれどもね。 | |
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愛情の裏返しなんですね。 | |
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いやいや、力のない弱いモノがね、基本的に強いモノに対してワーッと言っているだけで、相手が強くて大きいということを認識したうえで言っているんだからね。もう圧倒的に子宮をもっているというだけで男は万歳なんだから。 | 逆立ちしたってかなわない。そんなに強いのに、まだこれ以上強くなるのかと。そんなのは許せない、もういい加減でいいじゃないかと・‥。だから戦後女が強くなったと言うけれどね、あれは間違いですよね。もともと強いモノを認識しただけの話。 |
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女性というのは、もともと長期的思考をせざるを得ない。子供を産むでしょ、生んだら育てなきゃならない。大きくなるまでは面倒を見なくちゃならない。男は種を付けたらそれっきりで、一生育てるなんて責任感は基本的に発生しない立場だから。そういったらしかられるけれど‥・。 | |
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そうですね。でも最近はパチンコに夢中になって子供を死なせてしまったり・‥、母親として理解しがたい事件もあって、そう考えると困ったことに女も親父もダメになってしまっている‥・。 | |
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いつも言ってるんだけれど、視点としては「生みの親より育ての親」だと。生むっていうのは十月十日で終わりですよ。育てるってのはね、まあ少なくとも15〜16年ですよ。それで生む方、十月十日が威張るんだよなあ。これはメーカーや設計者のこと、育てる方はそれを使う方、付き合う方ですよ。 |
それでね、たとえば酣燈社で出してる「新・航空人間史」を見ると、外国の話は全部育ての親の話なんですよ。 ところが、日本の話になったとたんに全部生みの親の話。育ての親がほとんど出てこない。 |
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たしかにそうですね。 | |
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これがまた決定的に気に入らない。だけどしょうがないと思うところもある。というのは、一番初めにアメリカに行ったときのこと。テキサスの片田舎で、付き合ったのは現地のパイロット。 話をしながら瞬間的に「なぜ戦争に負けたか分かった」と思ったね。要するに、ロクでもないたとえばハリケーンみたいな飛行機でも、使う人が、どういうふうにやったら勝てるかと一生懸命考える。 |
それで、改修するときには、こういう方向で、こういう方法でと要求を出して改修させる。だからあとに行くほど良くなっていくんだね。ところが日本の場合は、これがダメならハイ次コレでしょ。 |
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いまコンピュータ関係なんかは、ハードにしてもソフトにしてもどんどん進化しちゃうから、いくらお掃除をしてきれいに大切に使おうと思っても、中身が完全についていかなくて・‥。 | |
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だから日本人の発想には向いているわけよ。ああもうこれ飽きた。はい次。というのは得意なわけだから。 | |
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そうですね。携帯電話なんかも10年前に比べたら、当時想像もできないくらいに進化してしまっていて。 | |
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そうそう、この10年というスパンで見ると、あっと驚くほど変わっちゃうわけ、どんどんどんどん進化しちゃってね。 | |
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だけど「生みの親より育ての親」という視点が社会の中で頑としてあれば、子供の育て方が分かんないからといって、殺したり虐待したりするようなことは起こらないですよ。だけど、日本の女が「生みの親より育ての親を」を忘れたらね、これはもうダメだ。 | 日本は沈没だね。金融問題がどうのこうのというよりも、日本の女がダメになって来ることの方がね、心配だよね。 |
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えらい話になっちゃった。 | |
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いや戦闘機と同じですよ。 | |
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